『続いてのニュースです。
有名な会社でデータが改ざんされた疑いがあるようです。』
ニュースの内容が難しくてあまり頭に入ってこない。
するとお母さんがそのニュースを見ながら、また呟いた。
「これがデータじゃなくて人間の記憶とかだったらすごいのにねぇ…。」
一瞬、お母さんの言葉を理解できなかった。
たまにお母さんはぶっ飛んだ発言をすることがある。
「ね、咲良。
それだったらすごいと思わない?」
「え……。」
そんなこと言われても、わかるわけない。
返答に困っていたら、それを見たお父さんが助けてくれた。
「お母さん、味噌汁おかわり。」
「あっ、わかった。ついでくるわね。」
そう言ってお母さんは器を持ってキッチンへと向かった。