「暇だわ、本当に。」 城下巡察の翌日の昼過ぎ。 昼食を済ました王子は一昨日と同様、 私を放って稽古へと出かけていった。 1人部屋に残された私は、 こうして窓辺に椅子を持ってきて城下の様子をただぼーっと見ている。 きっとこの部屋から城下を一望できるのは、 部屋の主がガイ王子なのと、この部屋の位置が城の中でも高い場所にあるからだろう。 「城内うろついてみるか。」