触れていた温もりがゆっくりと離れていく。 そっと上を見上げれば、 どこか熱を帯びた瞳で私を見つめる王子の視線と交わる。 「次こそは俺がお前を守ろう、ヘレン。」 「お、王子……ですがそれは私の役目で」 「分かってる。だが……お前は俺が守りたい。」 守りたい。 そう真摯に訴える王子の視線に射抜かれ、 胸がキツく締め付けられる。 「行こう。もうすぐだ。」