そう。



この魔法がちゃんと相手にかかっていると確認できるのは、



自分に痛みがきた時のみ。



ガイ王子が感じる痛みを私が感じている。



それが原因でガイ王子は痛みを感じることは無い。



ガイ王子の痛みが全て私に流れているから。



「なんか、後で怒られそう。」



「気付かれればそうだろうな。というより、魔法の正体に気付かなくても、勘づいてはいるだろうな。」



「私の魔法が普通じゃないことに?」



「……俺はもう陛下の所に戻るよ。それじゃあな、ヘレン。」



「うん。またね、兄上。」