母が、母が大好きだった。 私と同じ髪色で、 いつも優しかった母が、誰よりも好きだった。 勉強をさぼって遊び呆けても、 ヤンチャして怒られた時も、 自身の病気が悪化して、辛く苦しい時も、 母はいつも私の見方だった。 私の髪をとかし、一つに結ぶのは母の役割だった。 いつも愛用のブラシでそっと髪をとかし、 綺麗なポニーテールに結ぶのは、私と母のお約束だった。