* * *



「……彼女、思ったより優秀じゃないか。」



「優秀?どこを見てそんなことを。」



「それだよ、ガイ。今さっき彼女が君にかけたおまじない。」



「?これがなんだ?」



「それは子供がするようなまじないじゃない。紛れもなく魔法だ。」



「……そんなわけない。魔法の使用には武器を使う必要がある。だがヘレンは」



「使っていなかった。そうだ、確かにそうだ。でもあれは魔法だ。」



「どういう事だ、兄上。」



「自分でもわからない。あんな魔法、僕も初めて見たんだ。」