「お前っ、何を」



触れた場所に肉眼では確認することの出来ない小さな『跡』を残し手を離す。



「ちょっとしたおまじないです。痛くも痒くもないでしょう?」



「あ、あぁ。」



「それでは、私は外にいますので。」



「すまないね。」



「いえ、失礼します。」



……出来るだけ音が鳴らないように静かに戸を閉め背中を預ける。



どうやらあの魔法をガイ王子は知らないらしい。



まぁ、知ってる人の方が少ないか。



なんかちょっとそれだけで勝った気分にもなれたし、



大人しく終わるのを待ちますか!