他家のご令嬢では飽きてしまったから、 今度は城の者に手を出そうとでも思ったのだろうか。 「……女性を困らせるのは感心しないな、ガイ。」 王子についてそんな事を考えていると、 ドアの方から別の男性の声が聞こえ、思い切り力を入れて離れた。 「すまないね、弟が無礼なことをして。」 「へ、陛下!」 声のした方向へと振り向けば、 そこに立っていたのはガイ王子の兄であり国王陛下のフラン・セイクリッド様だった。