「夢、か……」 朝。いつも通りの時間に目を覚ます。 ただ、いつも通りじゃないのは、 自分の頬が涙で濡れていること。 ……随分と幸せな夢を見ていた気がする。 俺は誰か、知らない女と寝ていて 俺はその女が心の底から大好きで。 夢では見たのに、起きた今ではその女の顔さえ覚えていない。 なにか……大切なものを忘れている気がしていた。