魔力じゃないそれを送り込んでいく内に、 王子の手は暖かく色を取り戻していき、 私の手は冷たく白くなっていく。 全ての人類が持つ最後の光。 私に残されたたった一つの命。 「王子、大好きです、今も、これからも。」 自分の体が透けて消えていく。 「愛しています、心の底から。」 王子の表情が穏やかなものへと変わってきた。