やっとの事で触れた手は、氷のように冷たく白い。 ……限界だった体で、あの炎から身を呈して守ってくれたんだ。 さらに近寄って彼の口元に手をかざしても、 何も感じない。 彼の呼吸が手に当たらない。 「そんな……そんなっ……!!!!」 震える手を握りしめ、山の方へと目をやれば、 そこにあったはずのものはなくなり、 城下は静寂に包まれていた。