……王子の右手に握られていた剣の先が、 真っ直ぐ悪魔の住む山へと向けられる。 「……ヘレン、愛してるよ。」 「私も、愛しています。」 それまで山に向けていた視線を私に向け微笑む王子。 私の応えに満足気に笑い その刹那、剣を山の左から右へと薙いだ。 息が詰まる中、視界の端に捉えたのは、 山の中央から吹き出るように溢れ出た炎。