きっと今、王子の右手には彼の武器である剣が握られているんだろう。



その音を合図に、



ゆっくりゆっくりと、彼の体内に私の魔力を送り込む。



私の今の体の状態では、自分の力を出すことが出来ない。



だから、だから、彼に全てを授けるしかなかった。



私を抱きしめる左腕に力がこもるのがわかる。



淡い青色の光が強さを増し、



そこに淡い桃色の光が混ざりあっていく。



「くっ……」