「言えよ、ヘレン。」



「主は……が、ガイ、王子です。」



恥ずかしさと戦いながら王子の名前をやっとの思いで口に出せば



「……顔真っ赤。慣れてないのバレバレ。」



耳元に口元を寄せてそっと呟かれ思わずビクッと肩を揺らしてしまった。



「ヘレン、お前は自分の主は俺だと言ったな?」



「……は、はい」



その次の瞬間にはパッと離れてソファーに腰掛けてしまい、



軽く呆然としながらもなんとか返事を返す。



「ならばこっちに来い。」