会ってからまだ少ししか経っていないのに、



なんで私、こんなに迫られてるの?



目の前には今までお目にかかる機会のなかった端麗な顔。



黒い瞳が私の目を捉える。



恥ずかしくて、逃げ出したくてたまらないのに



あまりに真っ直ぐ見つめてくるせいで逸らすことが出来ない。



「お前の主は、誰だ?」



「わ、私の、主は」



至近距離にいるせいで2人の吐息がかかる。



鼻先には王子の前髪が時々そっと触れて少しこしょばゆい。