「だから……俺の前からいなくなるな。」 「はは、心配性だなぁ王子は。」 『はい』だなんて、言えなかった。 そんな保証、どこにもないのに。 「ヘレン、怖いんだ。」 「……ガイ王子、私もあなたが大切で、大好きですよ。」 「ヘレン……」 ゆっくりと離れ、王子の顔を見上げる。 昼間の光は遮光カーテンで遮られていて、 部屋の中は少し薄暗い。