「先に夕食をとりにいく。お前もすぐに来い。」 自分の言いたいことだけ言ってさっさと寝室を出ていった王子。 その背中を呆然と見つめながら、 何気なくベッドに置かれた髪留めを握りしめた。 顔を下に向けるとおろされた髪が視界に映り、 ブワッと顔が熱くなる。 この髪を結んでいた髪留めを王子が外したこと、 私に似合ってる、かわいいと言ったこと。 その全てが走馬灯のように思い出される。