違う、違うんです王子。 私が知りたいのは 「すまない、こんなにも長い時間抱きしめてしまった。」 「あ……いえ、大丈夫です。」 触れていた温もりが離れていく。 起き上がった王子に習い体を起こせば、 今まで感じなかった寒さを感じ思わず身震いした。 ……もう少し、あのままが良かったのに。 「ヘレン」 呼び声に応えるように顔をあげれば、 すっと頬を包み込むように王子の手が伸びてきた。