そろそろ王子の稽古が終わる頃かもしれない。 「それにしても……ヘレンがつけている髪留めは新しいのかな?」 「あ、はい。昨日の城下巡察が終わった時に王子が選んで買ってくれて。」 「ガイが?……へー、そう。ガイがねぇ。」 「あの、フラン陛下?」 「ん?なに?」 意味深にニヤリとした陛下を訝しんで名前を呼んでみれば、 いとも簡単に爽やかな笑顔でかわされてしまった。 何だったんだ、いったい。