「…宇佐見って、」

「…ん?」


私がなんだろ?

というか名前知ってたんだ…


嬉しいな、なんて思ったり


「……無自覚?」

「へ?なにに?」


橋本くんて唐突だな

なにに自覚?


「そういう、発言とか」

「……」

え、私なんか変な発言した?


「…気悪くさせてたらごめんなさい」

相手を気悪くさせる発言無自覚でしてるとか最低だよね



「いや、違うから」

「…じゃあどんな発言?」

「うーん、相手をあげたり、褒めたり?」

「あは、橋本くんが言ったのに疑問って」


つい笑ってしまったが、しょうがない、うん。



「うーんと、私は思ったこと言ってるだけなんだけどな」

褒めるっていったって、ほんとにすごいと思った時しか言わないし…


お世辞とか、言ったところで結局は嘘だから、それなら言わない方がましだから言わない


「あー、うん。わかった、無自覚なんだね」

「えー?違うよー」

「あーはいはい」

なんか、橋本くんの本性見えてきたぞ


…結構しゃべるけど、だんだん適当になってきてる気がするし



「橋本くん、」

「ん?」

「またしゃべろーね」


なんか、これで分かれたあと、もう喋らなそうな気がする。

実際、今喋るまで喋ったことなかったし、


「…俺としゃべっても面白くないでしょ」

「えーなんでそんなネガティブなの」

「だって、事実だし」

「私さすがに面白くない人とわざわざ喋りたいなんて言わないよー」


てかそんな人いるなら見てみたいぐらいだしね



「………じゃあ、また喋ろう」

「うん!!」


渋々納得した感じの橋本くんに、喜んで頷く



……この綺麗な声、もっと聞きたいなー