「あ、…ごめんなさい。」



勢いよく後ろを振り返ったので、相手を驚かせてしまった





「…いや、大丈夫。…これ、」


「あ、ありがとう!」



振り返った先にいたのは、同じクラスの橋本くん

クラスでは比較的静かな方で、綺麗な黒髪に黒縁メガネが印象だ



…すんごい声綺麗だなあ





今日の夜ご飯はなんだろーなんて考えて、ぼーっと歩いてたら、定期を落としてたみたいだ


…あぶなかった。



「ほんとに助かった!橋本くんありがとう」

「…そんな大袈裟な」


、、そーかな…けど、

「今日財布忘れちゃってたから、これなかった帰れないとこだった…」

最悪歩いて帰るしかなかったし、
…さすがに電車通の距離で歩きはきつい



「そっか、」

「それに、橋本くんと初めて話せたし!」

「……」


なにげ初なんだよね


にこにこしながらそう言うと、目を見開いて固まる橋本くん。


どーしたんだろ…



「…橋本くん?」

「っ、」

「どうかした?」

「…いや、なんでもない」


そーかそーか


にしても、今までそんな関わることなかったから、こんな近くで顔見たことなかったんだけど…


「瞳、すっごく綺麗」

メガネの奥にある瞳は、少し青がかっている


…宝石みたい


「っ、!!」


あれ、橋本くんの顔が赤くなった


「熱?」

「は?」


聞いただけなのに、真顔では?って言われた

怖いです橋本くん



「…ナンデモナイデス」


私を見てる橋本くんの綺麗な瞳から逸らすように、顔を下に向ける