けど、宇佐見に惚れるやつの気持ちがわかった






この日、俺は、宇佐見に惚れたから、




────…友達のために、涙を流す君に…








「あの人は、好きになっちゃダメだ。って頭の中ではわかってても、心はそうはいかなくて、

でも好きになって、傷つくのは自分で…」



やけに、重みのある宇佐見の言葉に、振られた子が一生懸命頷いてるのが聞こえる



「でもさ、それが恋ってもんなんじゃないのかな」


「っ!!」


「たとえ相手がどんなひどいやつで、好きになって、恋に落ちて、頑張って、

…それでもダメだったとしても、今までの自分は無駄じゃないって、そう思えたら、少なくとも今までの自分よりは、強くなれないかな」


「うぅっ、うさちゃんっ」

「うおっ、」

「うさちゃん、私、恋してよかった!恋して、頑張る自分を好きになれた!」



…青春だな



「たまちゃん、今はたくさん泣こ?泣いて泣いて、また笑お?」

「うぅーー、うさちゃんっ、うん!!」

「よしよーし、じゃあ泣こー!」

「うさちゃんもすごい泣いてるし!」

「だって、たまちゃんが頑張ってたの知ってるからっ」

「ふふっ、うさちゃん大好き!!

2人も、私のためにありがとう!大好き!」


「たまー!!」

「ごめんね、たまのことちゃんとわかってなかった」

「ううん!2人の言ったことは事実だし、過去にできそうだから大丈夫だよ!」

「ううっ、たまいい子!」

「好き!!」

「私も!!」

「まって私も入れて!?」

「うさは一旦外ー」

「え!?なぜ!!??」



…なんか、ドラマのワンシーンみたいなの見た気がする。まあ実際聞いてただけだけど。



だけど、俺が課題を教室に忘れて、この時に居合わせれて、よかったなって、思う



…宇佐見の涙に、恋に落とされたから