あの日はほんとに、たまたまだった
珍しく、課題のノートを机の中に忘れ、1度帰路についたが、途中で気づき、教室まで行った
そしていたのが、泣いてるクラスの女子と、その子と一緒に泣く宇佐見。あと2人ほどの女子
最初は、タイミング最悪だな、ぐらいにしか思っていなかった
今教室に入って机から課題を取るほどKYではないし、かと言って課題を置いて帰るわけにもいかない
…待つか、
そう思って、どこで時間を潰そうかとドアのところで考えていたとき、急に大きな声がした
「でも、あんなやつに告るなんて趣味悪いよ〜」
「あいつ色んな女の子たぶらかして、泣かせてるし」
と、同じクラスのため聞き覚えのある、泣いていない女子2人の声
…泣いてた子、振られたのか
さすがにすぐに察した
…あの女子2人も、泣いてる子のために言ってるんだろうけど、
「っ、そ、だよね。うぅ、…」
あー、さっきよりも泣いちゃったじゃん
慰めの言葉だとしても、彼女の心はむしろ傷ついてしまった
…なんていうか、うん。悪気があるわけじゃないからなあ、あの女子2人も…
「…好き、って気持ちがさ、自分で操れたらいいのにね」
すこし鼻声の混ざった声がした
…宇佐見だ
宇佐見は、小さくて可愛いと男子が言ってるのを何度も耳にしてる
だけど本人は全く自覚がないんだとか
その上、友達思いで優しく、面白い
…モテるが、純粋すぎて告白できないんだとか。
どんな理由だよって思ったのはおいとこう