「あきな〜いつからそのホスト通ってるの?」

「う〜ん、2、3ヶ月前くらいかな。あっ、ここだよ。ってか藍衣ちん客で来たって子にメール…しなくて良いの?」

「ってかもうここまで来ちゃったしいんじゃないの?」

「うん。だね。」


歌舞伎町の区役所通りを抜けて、ラブホ街に入る手前にある雑居ビルのエレベーター前に着いた。ビル前には、あのホストからもらった名刺に書かれていた「club『D』」の看板。

あきなに連れられて3階にたどり着く。

扉が開いたら瞬間、

「いらっしゃいませ!」

大勢の声と、ガンガンに響くトランスの音、タバコや酒の匂いに混じってきつい香水の香りが漂っていた。
「(うわ…。)」

「ゆうり、いますか?」

「はい。いますよ!指名で?そちらのお二人は…。」
「初回。」

「わかりました〜。それではご案内しますね。いらっしゃいませ〜!」