「仕事帰り。シャワーはいろっか。」

「あっいいや。え〜と話しだけでも良い?先輩に連れてこられたんだよね〜。ってか今いくつ?」

「今19だよ。先輩?って店の?」

「そうそう(笑)こういうとこ嫌いじゃないんだけどね。おとこなんで(笑)。」

「そうなんだ。ってかホスト?だよね?」

「うん。」

「この店でもホスト狂いの女の子いるから、よくホストクラブの話しは聞くなぁ〜うん。大変だよね。水商売って。」

「だね〜。俺酒弱いからなおさら…。」

「そう言えば…お酒臭くないね。」

「呑んでないもん(笑)。ってかこの仕事もしんどいでしょ?」

「まぁ〜ね(笑)けど、普通にバイトするよりは…ね。」

「そっか…。」


60分という時間の中で、いろんな話しをしたのを覚えている。
楽しかった。
どうして?

いつもなら適当に相手のご機嫌をとっているだけなのに。


「そろそろ時間だけど…。」

「あっ、ほんと。じゃあ行くわ。俺さぁ〜club『D』ってとこで働いてるから…ヒマしてたら遊び来てよ(笑)。」

「営業ですかぁ(笑)。ちょっと興味はあるかな。」

「来たかったら電話して。ありがと。頑張りすぎないようにね。」