先輩、本当に風邪ひいてるんですかって疑ってしまうぐらい、強い力だった。


ベッドに押し倒されているこの状況にゴクリと唾を飲み込む。




「……小春」

「な、何ですか」




先輩の手、熱い。

きっとすごい熱だ。だから、こんなことしちゃうんだ。


勘違いとか、私はもうしない。




「お前、今、幸せ?」

「は……?」


「アイツのこと、本当に好きなの」


「……好きです」



先輩に振られて、ボロボロだった私のそばに、睦月はいてくれた。

同じ気持ちを返したいって思った。




「じゃあ、どうして、俺のとこに来たわけ」

「……え」




その質問に目を見開く。