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「いやぁ、なんか緊張するね!」
「何だよ、別にいつも通りにしとけばいーだろ」
「それはそうなんだけど!」
12月25日、クリスマス。
ずっと楽しみにしていた映画を観て、少し早めの夜ご飯も食べて。
睦月の家に着いたのは日も落ちた夜の6時頃。
「俺の部屋階段上ってすぐのとこだから。先行ってて」
「おっけー!」
睦月の部屋に入ると、細長い全身鏡があった。
私服は断然ズボン派なんだけど、今日は思いきってスカートを履いてみた。
慣れないメイクも頑張った。
『……小春のくせに生意気なんだけど』
待ち合わせ場所で睦月にあぁ言われたけど、
きっと彼なりの照れ隠しだ。