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『今日バイトあるから先帰る。また明日な』



急ぎ気味にそう言った睦月を教室から見送ってから、私は日誌と睨めっこをする。


終業式に日直とかぶるとか、本当についてない。

まぁいいや、さっさと終わらせちゃおっと。


今日の時間割、今日の出来事、HRの連絡事項。

空白の欄を全て埋めて、私はカバンを持って教室を出た。



今日はクリスマスイブ。

部活がない人達は早く帰ったり、友達と遊んだりしたいはず。

だから、職員室へと続く廊下はシンと静かだった。



「失礼しまぁーす」



少し大きな声を出して、担任の先生を探す。

あ、いた。



「先生、これ日誌です」