「あの、えーっと……」




俺のことを見ようとしないで顔を逸らしている小春に、

なぜかイラっとしてしまう。




「わ、私、向こうの自販機行きますね!」




俺に背中を向けて、行ってしまおうとする小春。




「っ、おい」




その腕を慌てて掴む。

こんなことをしても、こっちを見ようともしない。




「……先輩って、ズルいです」


「は?」




小さな声だったせいで、上手く聞き取れない。

なんて言ったんだよ?



俺の手を振りほどこうとグッと力を込める。





「こういう、思わせぶりなこと、やめた方がいいですよ」




チラッと俺のことを見た小春に、俺は目を丸くした。


なんで、そんな泣きそうになってんの……?