「そういや、小春ちゃんが放課後この教室に来なくなってからだもんな。お前が毎日不機嫌になったの」


「だから、俺は別に不機嫌になんかなってねーって」


「いーや、なってるね!中学からの付き合いの俺には分かっちゃうもんね!!」




ニヤニヤとする宗介にムッとする。


そんなことねーって言ってんのに……。




「今まで高広一筋だった小春ちゃんが、お前から急に離れていって寂しいんだろ」


「勝手に言ってろ」




プイっとそっぽを向いた瞬間、授業の始まりを知らせるチャイムが鳴った。


しっしっと宗介を追いやって、入ってきた先生の授業を受ける。




『高広があんなに感情むき出しにしてるところ、初めて見たかも』




小春とあの睦月ってやつとカフェで会った後の帰り道、
なるみにこう言われた。