「……小春ちゃんが、お前じゃない男と仲良さそうに話しながら一緒に帰ってるとこ見たんだよ」
ムスッとしながらそう言った宗介。
「……ふーん」と返す俺。
『俺ら付き合ってるんで』
この前カフェで言われたことがよみがえる。
宗介が見たっていう男は、きっとその時のアイツだ。
俺のことを鋭く睨んでた、アイツ。
名前は確か……。
「睦月って、小春ちゃんは呼んでたな」
そうそう、そんな名前だった。
「小春ちゃんって、高広以外にも仲良い男いたんだな」
「仲良いっつーか、付き合ってるんだろ」
本人は、"ただの友達"って言ってたけど。
……何なんだろうな。別に隠そうとしなくたっていいのに。