「あのですね、別に先輩たちのことをつけていたわけではなくて!」
って、こんなの自分でバラしてるようなものじゃん!私のバカ!
「…アイツは?」
あわあわとする私から視線を外して、睦月のほうを見た先輩。
「えっ、と、長瀬睦月くんです。同じクラスの…」
「あっそ」
…多分これは私の気のせいじゃないと思うんだけど、先輩、何だかそっけなくないですか?
「あの、睦月はただの友達です。2人で寄り道する予定はなかったんですけど、さっきたまたま会って…」
なぜか不安になって、慌ててそう言うと、先輩はふっと冷たい笑い声を漏らした。
「なんで俺に言い訳するんだよ」