ストローを指でクルクルといじりながら、先輩達のほうを見て、それからゆっくりと私に視線を移す。





「諦めろって言われて簡単に諦められるわけねぇじゃん」





その気持ち分かるし、俺。

なんて、そう睦月は続けた。




「諦めろって言うなら、じゃあこの気持ち忘れられる方法でも教えろよって、思う」




そう言った睦月が、少し寂しそうな顔をするから、キュッと胸が締め付けられた。


私は、私のことを好いてくれている睦月に、なにもしてあげられない。

それが、とても苦しい、なんて。

そう思ってしまうのは、厚かましいかな。




「…本当にね。誰か教えてくれないかな」




先輩が好き。

この気持ちを忘れる方法。


そんな方法、あるのかな。