はぁー、と長いため息をついた睦月は、キット私を睨んだ。
「あっちから行けばいいだろ」
「ちょっと!」
私の手首を掴んで、反対の道へと渡ろうとする睦月を慌てて引き止める。
チラッと、なるみさんと並んで一緒に帰っている高広先輩に視線を移した。
多分、私達のことにまだ気がついてない。
そりゃ、なるみさんと楽しそうにしているところなんか見たくないよ?
でも、でもさ。
気になるんだもん。
「……ねぇ、睦月、あの2人のことつけてみない?」
「はぁ!?」
何言ってんのお前、とでも言っているような顔をする睦月に苦笑いをする。
「いいじゃん!暇でしょ?ラブラブカップルが普段どんな放課後デートしてるのか気になるし!」