ただの友達って言ってたけど、やっぱり怪しい。
先輩が合コンで彼女が出来てしまうことも、もちろん心配なんだけど、
ナルミっていう人との関係だって気になってしょうがない。
「ナルミ?それなら……」
言いかけた先輩の視線をたどると、女子トイレで。
そして、ちょうどその扉が開いた。
ゴクリと唾を飲み込むと、中から出て来たのは……。
「あれ、高広じゃん。アンタもトイレ?」
ボブの髪型が良く似合っている女の子が。
パッチリと大きな目、スラリと長い足、コーラルオレンジのリップが良く似合っている活発そうな子。
「お前が戻ってくんの遅ぇから、こーやって見に来ただけ」
バッと高広先輩を見ると、目があった先輩はクイっと顎を使ってその女の子を指した。