「えっ!い、いや、でも……」
「いーじゃん。ちょっとだけ。ね?」
な、なんかヤバくなってきた。
私の腕を引っ張って連れて行こうとする。
力で敵うわけないし、ど、どうしよう……!?
「そいつになんか用?」
突然聞こえてきた声に、ハッとして顔を上げる。
「……んだよ、男連れ?ざーんねん」
小さく舌打ちをして私から離れたチャラ男の大学生は、そのまま行ってしまった。
ホッとして、お礼を言おうとすると、
「かっ、顔が、怖いんですけど……!?」
またもやヒーローみたいな登場をした高広先輩の顔は、
眉が寄っていて、とっても不機嫌そう。