黙ったまま自室に戻った私に。

舞花は何も言わずに、温かい紅茶を淹れてくれた。

日が落ちても湿度も気温もなかなか下がらないのに、今日は身体が冷たく感じる。

瑞希くんから受けた想いが衝撃的だったからか……私は何を口にすればいいかわからなかった。


「……大丈夫?」


気遣わし気な舞花の声にハッとする。


「……瑞希くんに何か言われたの?」


さすが妹、鋭い。


「告白でもされた?」


ガバッと顔を上げて舞花を凝視する。


「……何で……!」

「あ、図星?
だって瑞希くんと二人でいて、気まずくなる理由なんてそれしかないでしょ?」

「……舞花、知ってたの?」


恐る恐る尋ねると。

自分用に淹れた温かなミルクティーを口にしながら、舞花が言い放った。


「お姉ちゃん以外は皆知ってたと思うけど」

「えっ……!」


溜め息を吐きながら舞花が穏やかな表情で私に言う。

衝撃がすごい。


「ほら、最近会っていなかった間に何があったの?
話してみて」


年下とは思えないしっかりした口調に。

張り詰めていた私の気持ちと涙腺が崩壊して。

情けない姿を妹に晒してしまった。