あちこちで写真を撮るグループが出来ていて、そのたびにあっちに行ったりこっちに行ったり。


卒業式の教室は、いつもより賑やかで華やかだ。


私もその和に入りながら、たぶんその辺でウロウロしてるだろう美羽の姿を目で探す。


ちょうどみんなから少し離れた場所に、案の定美羽は立っていた。


以前よりは積極的にはなったけど、やっぱりまだまだ頼りない。


せっかくさっき一緒に写真を撮ったのに、いつの間にか和の外でみんなを眺めてる。


もう一度こっちに引き寄せようと口を開きかけたとき、美羽の背後に立つ羽生の姿が見えた。


なに?なんで美羽のとこに……


心臓が脈打つ。


胸が苦しくなって、私は息を大きく吸い込んだ。


別に二人が話してたっておかしくはない。


クラスメイトであり、友達なんだから。


だけど、そうじゃない雰囲気が二人を包んでた。


まさか……


最後にもう一度告白する、とかじゃないよね?


否定してるわりに、頭の中はそうなんじゃないかって思いが渦巻いてる。