君はいつもあたしの手の届かない場所にいた。

あたしは君をただ見つめているだけ。

王子様と結ばれるなんて現実にあるわけない。

あたしもそろそろあきらめ時だ。

だから‥‥


「あたし、鮎川さんと結婚します」

あたしは目の前のカレに微笑んでそっと手を差し延べた。