「先帰ってて」 「え?!ちょっと!柑奈っ」 二人の制止の声が耳をすり抜けていく。 胸の奥が疼く。 学年トップの優等生でダサい男、神崎壱の裏の顔。 こんなおもしろいことない。 トップスクープといいたいとこだけど、あいにくあたしは新聞部じゃない。 でも、こういうのは大好物だ。 おもちゃを与えられた赤ちゃんみたいに笑うと一目散に神崎の背中を追いかけた。