キーンコーンカーンコーン。
ざわざわと沸き立つ教室に1人でポツンとイヤホンをして周りの空間をシャットアウトしている人物がいる。そう、俺だ。
他の奴らはグループを早速作ったり気が合う奴と同じクラスになれて肩を組んだりしてる。
窓の外を見れば桜が咲いている。
俺だけ、俺だけがこの空間に馴染めてない。別に馴染む気もないが。
ガラッ、教室のドアが乱暴に開けられた。
「うーす。今日から2年3組の担任をする飯塚だ。教科は体育。よろしくな〜。」
適当か!何がうーす。だよ。最悪だ。体育科とか絶対面倒臭いじゃん。
声に出さないように文句を言っていたらうるさいのが喋り出した。
「んで。こっちの子が今年から編入してきた」