「すげーっ。飛鳥のヤツ、ゴリラを手なづけたよっ!」


物珍しそうに、押し倒されたあたしを眺める蛍。


うるさいなー、こいつはっ。


「さっさと、どいてよね!」


あたしは、飛鳥の左太ももに蹴りを食らわせた。


「…ってぇー。かわいくねぇ女だな」


そう言って、飛鳥はあたしから体を離した。


…今の蹴り、わざと食らってる。


じゃなきゃ、「いってぇー」とか言いつつ、平然な顔なんてできないもの。