飛鳥は、あたしがそうなることを恐れているのをわかっている。


あたしなら、アタッシュケースを奪うことは容易くできる。

なんなら、布川くんを攫うことだってできる。


…でも。



「断る。あたしはやらないっ」


あたしはどうしても、飛鳥たちには負けたくなかった。


困ったあたしを見つめる、その飛鳥の目が腹立つ!

絶対その瞳の奥で、あたしを小馬鹿にしてるに決まってる!