「…で、あたしをどうしたいの?」


あたしは、飛鳥を睨みつけた。


ここまで自分が、手も足も出せないのは初めて。


「あたしが壊した…サル男のカメラを弁償すればいいの?」


もともと盗撮してきたのは、そっちだけどね…!


…と言いたいのは、我慢して。


「…それでも構わないが、残念ながら蛍のカメラは、蛍自身が改造した特注品だ。買って済むような話じゃない」


…じゃあ、どうしろって言うのよっ。


「お前に、頼みたいことがある」


飛鳥は黒いソファーから立ち上がると、あたしに歩み寄ってきた。


そして、ブレザーの内ポケットからなにかを出した。