紫恩が、スクリーンとあたしを交互に見る。


…蛍のヤロー!


あたしは、心の中でそう叫ぶ。


そして紫恩の問いに、黙って頷いた。


「つっても、“ちょっと待った!!”って…。マンガかドラマの見過ぎだろっ」

「うん。典型的な登場シーンのセリフだね」


隣で、紫恩と凛太郎がクスクスと笑っている。


あ〜…、もう…最悪だ。


見ず知らずの不良には捕まるし…。