「さぁ、おとなしく渡しなさいっ。…じゃないと、今度はさっきみたいに手加減しないからっ」


あたしは、サル男の腕をさらに捻り上げる。


このまま痛みに負けて、あっさりとビデオカメラを差し出してくれると思いきや…。



「…蛍(ホタル)。お前、こんなところでなにやってんの?」


突然、後ろの方から声がした。

驚いて振り返ると…。


「紫恩(シオン)!」