あたしは一瞬の隙に、サル男の右腕を取って背中に捻った。


「…ッテテテテ!」


関節技が決まり、声を上げるサル男。


「…てめぇ!こんなとこまでっ…!」

「当たり前でしょ。撮ったもの返してもらうまで、どこまでも追いかけるから」


あたしだって、早く寮に帰りたいんだからねっ!


チンピラを蹴散らすところを撮られた挙げ句、方言まで録音されているんだから、放ってなんておけない。