また、追いかけっこが始まった。



でも、あたしもそれほどバカじゃなかった。


さっきみたいに、ただ闇雲に追いかけるのではなく…。

今度はあえて、距離を取った。


暗闇に紛れて、物陰に隠れながら、相手の足音を頼りに後を追った。


そうすることで、相手からはあたしの姿を確認することはできない。


つまり、撒いたものだと思い込んでいる。



…だから。