だけどその優しさが私に罪悪感を抱かせる。
彼は……恭介は私の事を好いてくれている。
それも恋愛感情として。
実は去年のクリスマスに告白されたのだ。
真っ直ぐな曇りのない瞳で「好きだ」と言われた。
「翔の代わりでもいいから付き合ってくれ」とも言われた。
でも、誰かの代わりをする辛さは私が一番知ってるから恭介の手を取ることは出来なかった。
恭介は優しすぎるから、その優しさに溺れて縋ってしまったら恭介が恭介じゃ無くなっちゃうから……大切だからこそ断ったのだ。
断ったからと言って何かが変わったわけではなかった。
本当にいつも通り、あの告白は夢だったのじゃないかと疑う程なにも変わらなかった。
でも時折、寝言で「百合好きなんだ」と泣きそうな声で言っているのを聞いて夢じゃない、現実なのだと思い知らされる。
彼の想いに応えれないのが辛い……
代わらず接してくれる優しさが痛い……
恭介を好きになれたらこんな辛い想いをしなくて済むのだとわかっているけど、何回考えても私が好きなのは一人だけ……翔だけなんだ。