ガチャ……バタンッ


「恭介様が帰ったぜ!百合喜べ!!」


噂をすれば影がさす、と上手いことをいったものだ。

噂の種である恭介が帰ってきたようだ。
彼の登場で部屋の温度が3度は上がった気がする。

俺様気質の恭介は良くも悪くもその場の空気を変える。
今回はとても助かった……私のこんな最低な感情を抱いてるなんて知れたら私は翔と一緒にいることが出来なくなる。

『恭介ありがとう』

直接言えない分心の中でお礼を言う。

……よし!切り替えよう。今は4人でいつも通り馬鹿な事をしよう。

「おかえり恭介、茉莉」

茉莉がニコニコしながら私に近より何かを手渡す。

ん?温かい。

「おう!百合にカフェオレ買ってきてやったぞ!」


あぁカフェオレ買ってきてくれたんだ。

「ありがとう恭介!」

恭介は一見怖そうな金髪ヤンキーに見えるが実際はそんな事ない。

とても優しい。カフェオレがホットなのもきっと私の事を想ってくれてのだろう。

私は寝起きで冷たい物を口にすると必ずと言っていい程お腹を壊す。だから気を使ってくれたんだろうな。